サブカルworkshop

『しあわせの保護色』~乃木坂46の集大成にして、新章のはじまり~

乃木坂46の25枚目のシングル『しあわせの保護色』が3月25日に発売されます。今作もカップリング曲含めて計5曲のMVが制作されました。毎回趣向を凝らした映像作品が作られており、私が乃木坂46を好きな理由の一つでもあります。特に今回は白石麻衣の卒業シングルということもあり、乃木坂のストーリーというものが強く感じられる作品が多く、これからを期待させてくれるものばかりなので、ぜひみなさんに紹介したいと思います。おそらく発売日を迎えるとカップリング曲のMVがshort ver.になると思うので、早めにチェックしてください。

しあわせの保護色(監督 池田一真

25thシングル表題曲。コンセプトは卒業する白石麻衣を見送るパーティー。壁や鏡などのセットはおそらく後ろで人が動かしていると思うのですが、そういった所も含めた一発撮りのような手作り感、いい意味で肩の力を抜いたような作風が、曲調にピッタリ合っていて、何度も観たくなります。その上、所々メンバーの素の笑顔が見られたり、花束を受け取った白石が涙をこらえる様子が見られたりと、作品を超えた一つのドキュメントを見ているようで、白石の卒業をより一層実感させます。

アナスターシャ(監督 伊藤衆人)

2期生曲。新型コロナウイルスの影響で中止となった2期生ライブの代わりに行われたSHOWROOMの生配信でお披露目となったMV。監督は2期生を研究生時代から撮ってきたということもあり、ファンなら背景が理解できるシーンが散りばめられており、グッとくるものがあります。しかし、それ以前に作品としての完成度が高い。千葉県で撮影されたらしいのですが、ロケーション、衣装、撮り方から異世界のような雰囲気がありますし、最初のサビでメンバーのダンスが重なるシーンなど、すごく気合が入っており、乃木坂のMV史上屈指の傑作だと思います。ぜひともフルのままで残してほしい。

じゃあね。(監督 湯浅弘章

白石麻衣の最後のソロ曲。作詞は本人によるものであり、メンバーが作詞するのはこの楽曲が初めてです。西野七瀬の最後のソロ曲「つづく」のMVと同じ監督が手掛けていますが、「つづく」では卒業後の未来が描かれているのに対し、本作では卒業するまでの軌跡が描かれています。それも白石だけでなく、彼女を応援してきたファンのこれまでもフィクションでありながらも描かれているというのが、白石からファンへの感謝の気持ちの表れのように感じられます。

I see...(監督 神谷雄貴(maxilla))


4期生曲。楽曲がSMAPっぽいということで、Twitterで「SMAP感」がトレンド入りするなど予想外の方向で話題となった本作。これまでの4期生曲とは全く雰囲気が異なるパーティーチューンですが、すごく彼女たちに余裕が見られるというか、成長具合が半端じゃなくて、乃木坂の安泰な未来を本気で期待させてくれます。今回話題になったことからよりファン層が広がるのではないかという期待もしています。

毎日がBrand new day(監督 横堀光範)


3期生曲。3期生曲のMVが制作されたのは「トキトキメキメキ」以来約1年ぶり。4期生が入ったことで、まず楽曲が大人っぽくなって変化を感じられます。監督は「新しい世界」「キャラバンは眠らない」を手掛けた方で、光を効果的に使っており、フィルムのような質感が、映像としてキャンプとマッチしています。花びらが舞う中でのメンバーのソロショットは目を奪われます。ジェンガを本気で楽しむ様子や、キャンプファイヤーを囲んでダンスを楽しむ様子といった、素の感じもちゃんと絵になるというのが乃木坂の凄みというか魅力のように感じられます。

まとめ~乃木坂46のこれから~

今回白石麻衣の卒業シングルでありながらも、単に感傷的になるのではなく、ちゃんと前を向いてこれからを踏み出していく決意というものを、作品全体を通して感じられました。また、「I see...」が話題になったことで初めて乃木坂46に目を向けた人も少なくないと思います。これからも乃木坂46は変化しつつも、大事なものを守り続けながら前に進んでいくと思います。乃木坂46が本当の意味で国民的アイドルになるのが楽しみです。