サブカルworkshop

2020年7・8月に観た映画たち

 全くブログを更新できていないので、少しでもブログを継続していくために毎月観た映画を紹介するという記事を上げていくつもり。今回は新型コロナウイルスによる自粛明けの7・8月に観た映画を紹介する。多少のネタバレは勘弁。

今日から俺は‼劇場版

 自分は福田雄一ファンなので満足の出来。とはいえ、福田作品って映画である必要はないよな、というか映画ではないよなと思っていて(『銀魂』はそんなことないかな)、だから福田監督の映画が公開される度に必死こいて観てる自分がバカバカしく思えてきたりもしてる。(現在放送中の『親バカ青春白書』は素晴らしいドラマだと思う)
 そろそろギャグシーンにあまり無駄な尺を割いてほしくはないなとは思うが、今度公開される『新解釈 三國志』も相変わらずのノリっぽいので、あまり期待せずに観に行く予定。

水曜日が消えた

 上の記事に書いていることがすべて。

のぼる小寺さん

 自分にとっては『怪盗戦隊ルパンレンジャーVS警察戦隊パトレンジャー』のルパンイエローでお馴染みである工藤遥の初主演映画ということで観た。
 ボルダリングに夢中な女子高生・小寺さんと、彼女の姿に魅かれて自身も変わろうとする同級生たちの姿を描いた青春映画。特に大きなイベントが起きるわけではないが、ただ目の前の青春を懸命に生きる高校生たちの姿に愛おしさを感じる。

日向坂46ドキュメンタリー映画 3年目のデビュー

 日向坂46初のドキュメンタリー映画。「けやき坂46」での自分たちの存在意義に悩む姿、「日向坂46」に改名して華々しいデビューを飾って輝く姿を描いた作品。
 ドキュメンタリー映画としての完成度は正直微妙。ただ出来事をなぞっていくだけの内容で、これまでの乃木坂46ドキュメンタリー映画と比べるといささか不満が残る。収穫があるとすれば、紅白歌合戦の初出場が決まったことをメンバーに伝えたときの今野義雄の言葉ぐらいかな。

コンフィデンスマンJP プリンセス編

 前回の『ロマンス編』に比べて騙しのトリックはシンプルであるが、「偽物が本物になる」というストーリーに惹きつけられた。コックリがフウ家当主の隠し子であること、ダー子がコックリの母親であること、これらはどちらも嘘であるが、前者が「本当」になったのに対し、後者は「本当」にはならなかった。そのことでダー子はコックリのことが羨ましいと思ったのかもしれない。そういったダー子とコックリの対比が、映画第2弾として前回との差別化が図られているのが素晴らしい。

僕の好きな女の子

 又吉直樹のエッセイが原作。『火花』『劇場』を観たことも読んだこともないのに、なぜかこの映画を観ようとは思った。
 感想としては微妙。主人公の「僕」が好きな女の子に気持ちを伝えずに友人として付き合っていくというのは好みではあるが、その描き方がどうも合わなかった。主人公はウジウジし過ぎだし、ヒロインも確信犯にしか見えない。
 そして、最もガッカリしたのがラストである。主人公は脚本家で、ヒロインとの出来事をがっつりドラマで描いており、それを観た友人たちはヒロインをボロクソに貶す。こういったある種のメタ構造が形成されているのに、そもそもヒロインとの出来事が主人公の妄想だったとさらにメタが重ねられても、「じゃあ今まで見せられてたものは一体何だったんだ?」という気持ちになってしまう。
 そもそも又吉の作風が合わなかったのかもしれないので、一回『劇場』を読んでみようかなとは思う。

ぐらんぶる

 頭のおかしい、面白い映画でした。こんな頭を空っぽにして楽しむ映画は世の中には必要だと思う。ただ色んなパロディを詰め込んだ前半に比べて、後半はやや失速ぎみだったとは思う。

思い、思われ,ふり、ふられ

 同じ恋愛映画としては先程の『僕の好きな女の子』よりも断然好みの作品。心の移り変わりがやや性急だと感じたが(これは自分に恋愛経験がないからかもしれない)、瞬間瞬間を懸命に生きていく少年少女の姿が心に刺さった。
 また、映像が本当に綺麗。特に、終盤の由奈が理央に再び告白するシーンの、風や光の捉え方が良き。

青くて痛くて脆い

 素晴らしい青春映画。キラキラなど一切ないが、誰もが抱える青さ、痛さがこれでもかと詰まってる。
 孤独だった主人公がヒロインとの出会いによって自分の居場所を見つけるも、あることがきっかけで居場所を失ってしまう。主人公は自分から居場所を奪った者に復讐を行うというストーリー。とはいえ、居場所を失うきっかけは下らないといえば下らないが、本人にとっては切実な問題である。自分のような人付き合いが下手な人間には十分理解できる話だが、「え?そんなことで?」と拍子抜けする人も少なくないのかもしれない。
 もしかしたら主人公の拗らせっぷりが自分と重なって辛く感じるかもしれないが、痛さをどう乗り越えるかも描かれていてぜひ最後まで観てほしい作品。
 完全に余談だが、この映画が好きな人はBase Ball Bearの『光源』というアルバムも気に入るじゃないかなと思う。